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WanCup2007 審査員評

ジャッジA

朝、審査会場に入り、今回のジャッジスケジュール表を見たとき、唖然とした。 とうとうWanCupも他のコンペティションと肩を並べるエントリ数、カテゴリ数になったのだ。果たして今日一日で審査が終わるのだろうか?

実際のエントリーに関するデータについては主催者側の発表にまかせるとして、評価を通じての全体印象を述べたい。

全体の底上げ、およびトップレベルの超ハイレベルな戦い、という2点が今回の印象である。

昨年に比較し、今回はレベルの底上げを感じた。 例えばアメリカンペールエール。予選をしなければならないほどエントリ数の多いこのスタイルで、破綻しているビールがひとつも無かった。

もう一つ。ベストオブショウ(横綱/大関を決める)に残った9つのビールは、ともすれば市販のレベルを遥かに凌ぐ出来栄えであった。

なお、今回の各カテゴリの金銀銅各賞については、一切お情けで入れているものはない。
すべてその資格を確実に有するツワモノである。
自分のテーブルでは空賞はなかった。どのカテゴリも金銀銅を埋めるに値するビールでひしめきあっていたからである。

ちなみに今回の横綱・大関を決めるポイントはかなり悩んだ。
基本的なレシピをとても忠実に正確に仕上げている職人に与えるか、高度な培養技術と醸造技術で商用では不可能に近い作品を造る職人に与えるか。 今後の本コンペティションの方向性を決める重要な決断だった。結果についてはご覧の通りである。

来年に向けてのポイント(ヒント)

  • ジャッジはスタイルガイドラインを元に審査します。どんなに素晴らしいビールでも、注意が必要です。
  • フルーツやスペシャリティといった比較的固定的でないスタイルはドリンカビリティが重要になります。
  • カーボネーションレベルをスタイルに合わせて制御することが重要です。アロマとフレーバーだけでは勝てません。
  • 基本に忠実できれいなビールであることが高得点のポイントです。

ジャッジB WanCup2007のジャッジをして感じたこと

全体として:

ビアスタイルをしっかり意識して仕込まれたビールが多く、以前と比較して一層の水準の向上が感じられた。 オフフレーバーとか‘スタイルはずし‘といった問題のあるビールは少なく、各スタイルの特徴をいかに表現し かつ、魅力のあるビールに仕上げるかという面をあらそう高水準なコンペになってきたと思う。

コンぺの総エントリー数も70を越え、エントリーされたビールのカテゴリーもバリエーションが増え全体としてにぎやかになってきた。
今後望むこととしては、結果として限られた上位入賞者が何作も入賞するという状況から、より多くの参加者が上位入賞を競うという方向になってほしい。

個別のカテゴリーの感想

  1. アメリカンペールエールカテゴリー (エントリー数13)
    GABFなどでもエントリー数が一番多くなるのがこのカテゴリー。
    全体としての出来はよくなってきたと感じる。カスケードに代表されるアメリカ系HOPのさわやかなアロマ・フレーバーに富んだ作品が みられ高評価を得ていたが、Bodyが重めのビールが多く飲み口がすっきしりしないものも多かったように思う。
    オフフレーバー等の問題を持つものはほとんどなく全体の水準は高かったが、1位になったビールはかなり抜きん出た出来だった。

ジャッジC Comments on the judging of the WanCup

This was my second year to judge in the WanCup. I judged in three flights: wheat/weiss beers, followed by stout, then a quick but delicious lunch, followed by judging of the fruit and herb beers. The standard of entries was quite good. Most entries were at least a fair representation of the style, and the top three or four beers in each class were of a very good standard. We had one “gusher" (beer that froths violently when opened) and one beer that seemed to fail to meet the requirements of its purported style. There were also a few beers with noticeable minor flaws, such as low levels of acetaldehyde (green apples), minor oxidation (sherry/wet cardboard), and metallic twang. I think this as better than last year when several beers had major flaws (terrible oxidation).

The stout class had the most consistently good entries and I was highly impressed by a couple of the entries. The fruit/herb class was the most difficult to judge because it is harder to come up with a strong ideal model of the style. On top of this, I am simply not a big fan of fruit in beer, which is a challenge all judges have to contend with: how to put aside personal taste preferences. This is easier with a tightly defined style, but more difficult with a style that is open to brewer interpretation (fruit, specialty beers).

In summary, I again enjoyed the judging and hope I will be back again next year. I would also like to see more entries and a larger pool of trained judges. Competitions are a great way to advance one's brewing and beer evaluation skills, and I encourage all involved in the hobby in Japan to promote participation in the comp and the development of judging skills.

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